江戸時代の循環農業が今も息づく「武蔵野」の輝きを広く伝えたい

集まっている金額

3,280,000円

目標金額3,000,000円

100%以上達成

サポーター 148人

期間:終了

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目標金額3,000,000円

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4月14日(土)〜27日(金)までの2週間、映画「武蔵野」の上映が行われました。

場所は映画の舞台の一つとなった地元川越にある「スカラ座」

10時30分からの初回の上映を見ようと行けばすでに長蛇の列。

懐かしい雰囲気の館内は満席の状態。補助席も出して125名が鑑賞。

スカラ座の方、曰くドキュメンタリー映画でこれほど詰め掛けたのは初めてとか。

3年間にわたる記録を111分にまとめあげた映画「武蔵野」

冬の落ち葉掃きに始まり春、夏、秋と季節の移ろいとともに農家の1年を追う。

農家の方が「ヤマ」と呼び、江戸時代から守り続けて来た雑木林。

落ち葉を掃き、人が手を加えていかなければ「ヤマ」は荒れてしまう。

集めた落ち葉を堆肥で育った作物を食べて人は生きていく。

しかも、これが昔の話でなくて、今も川越市内で続けられているというリアルさ。

「森を育み 森に生かされ 森とともに歩む」という一節がぐっと心に来る作品でした。

上映後は、原村監督と映画に出演した農家や木工作家さんらによる舞台挨拶を企画。

この日のゲストは、映画に出演された若手農家の大木さんご夫妻。

原村監督に「農業を始めたきっかけは?」と聞かれて、大木さんが話しました。

実家では長人参をやっていて土埃とかが鼻に入るのは嫌でした。

大学の経済学部に行ったものの自分が何をやりたいのだろうと考えていました。

一人旅にも出て、農家の親父の仕事をやるのも良いかなと始めました。

親が稼いでくれたお陰で大学へも行けたし、それも格好悪くないねと。

最初の1年は失敗ばかりで、なかなかうまくいくことは少なかった。

でも、朝、今日は仕事に行きたくないという気持ちにならない仕事だった。

奥さんは、核家族のサラリーマン家庭から農家に入って11年目。

始めは季節ごとに土地の神様に感謝するなどの習慣の違いにも苦労したそう。

今は、お父さん、お母さんと仲良くやっていて、楽しくてたまらないそうです。

伝統農法を続けている理由について原村監督に問われた大木さんが答えます。

必ず林を守んなきゃとそこまで強い気持ちはなかったりします。

でも、林から得られる落ち葉堆肥を使えば、農薬や食べ物に必要のないものは減らせる。

せっかくあるものだから使っていこうと思っていますね

最後に、原村監督が語ります。

武蔵野の雑木林は開発が進んでいて将来無くなるんではないかとの危惧されています。

だけども、若い方々が新しい取り組みをやりながら江戸農法を継承されています。

世界的に見てもこれだけのものが残っているのは奇跡的です。

せっかく、300年続けて来たんですから300年後も残って欲しい

その思いでこの映画を作りました。

人間は「水」と「空気」と「食べ物」がなければ生きていけない。

時代はどんどん変わっていくがどんなに時代が変わっても変わらないものある。

自然と人間との関わりを感じてもらえば と結びました。

パンフレットも武蔵野の素晴らしさを伝えるために写真集の体裁で作成。

また、6月には「武蔵野に生きる」というタイトルで本も出版するそうです。

ロビーではサイン会も開かれ、お客さんと映画の感想などを会話していました。

【今後の上映予定】

6月23日から2週間、横浜シネマリンでのロードショーが決定。

また、12日間で川越スカラ座に詰めかけた観客は延べ1,500人越え。

スマッシュヒットとなり、11月に再上映が決定したそうです。

また、それ以外にも今後、日本全国で上映を予定しています。

詳しくは、映画「武蔵野」のFacebookをご覧ください。

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映画「武蔵野」の舞台となった平地林で、落ち葉掃き体験が行われました

埼玉県南西部(川越市・所沢市・狭山市・ふじみ野市・三芳町など)に残る広大な平地林では、落ち葉を畑の堆肥にする循環型農業が360年以上に亘って続けられて来ました。

この平地林を農家の人は「ヤマ」と呼び、冬になると「落ち葉掃き」を行います。

昨今では、人手不足を補うとともに、先人たちが守り続けてきた「ヤマ」を知ってもらい、後世に伝えるため1〜2月には「落ち葉掃き」の体験イベントが盛んに行われています。

この土地で暮らす農家の姿を豊かな自然とともに記録し後世に伝えようと、原村政樹・映画監督は2014年からドキュメンタリー映画「武蔵野」の製作をスタート。製作資金の一部をクラウドファンディング「Readyfor」で募りました。

ファンドの達成に向けて、川越市「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の施策のひとつ「くらびとファンディング」では、当サイトやSNS、インターネット放送「ラジオぽてと」などで周知し支援することで、昨年の9月末に目標300万に対して328万もの資金を調達しました。

クラウドファンディングでは、支援者に対してリターン(返礼品)がありますが、映画「武蔵野」では、そのひとつに映画の舞台での「落ち葉掃き」体験イベントへの参加ができる特典が付いています。

2月10日(日)に、NPO法人「武蔵野の未来を創る会」主催で「落ち葉掃き体験」が行われ取材して来ましたので、その模様をレポートします。

体験イベントの会場は三芳町上富 。

近くを走る県道334号線は「富の川越いも」を生産する農家が軒を連ねており、この区間は「いも街道」と呼ばれています。

到着するとパチパチと枯れ木が爆ぜる焚き火に迎えられました。

最近では炎にあたる機会も少なく、放射熱の暖かさにも驚かされます。

落ち葉掃き体験・開会式

その焚き火を囲むように集合したのは、本日一緒に作業する県立川越総合高校の生徒たち。

同校では、平成25年から有志を募って「落ち葉掃き」体験を行っているのだそうです。

焚き火の煙越しに挨拶をされているのは、「武蔵野の未来を創る会」の森田 恒夫代表理事。

10年前まで県立川越総合高校の教員で、今は、農業をされています。

「一緒に汗を流しましょう!」と呼びかけました。

平地林を所有する高橋尚己氏は「三芳町川越いも振興会」の会長でもあります。

川越総合高校の園芸科にいたという高橋さん。作業の工程を伝えます。

熊手を両手に持っていますが、左手のが落ち葉掃き用。

ホームセンターで手に入るものより手の数が倍あって弾力性もあるのそうです。

「武蔵野の未来を創る会」の初代代表理事の関口 一郎氏。

生徒たちを林の奥と手前に分けて作業をしましょう。12時までよろしくお願いします。

と説明しました。

そのほか、本日作業に参加する先生や 行政からの職員らの紹介。

午後からは、近くの三芳町農業センターに場所を移動して、映画「武蔵野」短縮版の上映会も予定されていることも伝えられます。

落ち葉掃き体験が始まりました

落ち葉掃きの意義は、午後の上映会と原村監督の解説に委ねることとし、35名の生徒たちは手に手に熊手を持って林の中に散らばります。

3メートルの間隔で並んで、ザッザッと熊手で落ち葉を掃きよせる。

熊手はもっと思い切ってこう履いて!と生徒たちにお手本を見せる高橋さん。

それに習い落ち葉をシートの上に掃き寄せていきます。

シートの上にある程度の落ち葉が溜まったら四辺を持ち上げる。

そのまま、ズルズルとシートを引っ張って近くにある落ち葉の小山に移動。

シートをひっくり返して小山の上に被せます。

落ち葉を掃いてシートに集め、落ち葉の小山に被せる。ひたすらこの繰り返し。

落ち葉掃きをしながら足元を見るといろんな発見があります。

枯葉の上で顔を覗かせる栗。

コナラやクヌギなどの広葉樹が中心なのでどんぐりはあちこちに落ちています。

こちらは「山繭」。平地林では多種多様の動物や昆虫が暮らしています。

落ち葉の小山が胸くらいの高さになったら、みんなで上に乗って踏みしめる。

フカフカした落ち葉の上でぴょんぴょんと飛び跳ねて楽しそう。

腰まで落ち葉に埋まってその感触を楽しみます。

普段なかなかできない経験に、歓声を上げる高校生ら。

落ち葉が踏み固まったら網を掛けて、本日の作業は終了です。

お待ちかねのランチタイム

身体を動かして働けば「腹が減る」のは、自然の摂理。

先生が寸胴いっぱいに用意したけんちん汁でランチタイムです。

川越産の野菜がたっぷりと入ったけんちん汁。

味噌味と醤油味があって、味噌は川越総合高校で作ったものだそう。

「どんどんお代わりしてね」という先生の掛け声に食欲の旺盛な高校生。

綺麗さっぱりと平らげました。

映画「武蔵野」上映会

ごごからは、平地林の近くにある三芳町農業センターで映画「武蔵野」の上映。

敷地には三富新田の歴史と文化を伝える茅葺屋根の民家「旧島田家住宅」があります。

家屋の中では囲炉裏に火がくべられ、天井は長年の煤で真っ黒に燻されてました。

天井付近には落ち葉掃きで使われる竹かごが積まれています。

映画「武蔵野」製作委員会の一員でもある森田さんより挨拶。

「みなさんが今日行った『落ち葉掃き』について映画を見て学んでもらいます」

本編は111分ですが、今回は特に農業の部分を切り出した21分の短縮版。

集めた落ち葉が発酵して堆肥へと変わっていく過程、さつまいもの苗を作る様子、そして、農家さんの思いが短い中にもギュッと詰め込まれていました。

映画の上映にあたり予告編が公開されていますので、こちらでも紹介します。

上映が終わった後、原村監督が登壇して、映画「武蔵野」を製作するきっかけと訴えたいメッセージを高校生たちに語りました。

40年以上前から川越に住んでいて平地林は散歩コース。NHK新日本風土記・川越を製作して放映された後に撮影でお世話になった方々に挨拶に回った際に、川越で落ち葉堆肥を使った伝統農業が360年以上も続けられていたのかと感想を述べられて、地元でも知られていないことに気づいた。

大都市圏でこのような伝統農法を行っているのは世界でも類を見ず奇跡的。世界中の土を調査した学者によればが、こんな構造をした土は見たことがないと感激した位だが、それが知られていないのが映画をつくったきっかけ。

今は、経済至上主義の社会で、どんどん新しい製品がでてきて5年も経てば古くなる。10-15年で部品が無くなって修理もできなくなってしまう。

けれど、人間にとって本当に必要なものは「水と空気と食べ物」。食べ物を生み出す農業は経済面だけで捉えることはできない。農業的な価値で社会を向きなおすことは大切なこと。

映画「武蔵野」を通して世界に誇れる伝統農法があり、人間が生きていく場所を残しているというメッセージをまず日本で、さらには海外へと発信していきたいと話を結びました。

映画「武蔵野」上映案内

映画「武蔵野」はこれから3年掛けて、日本全国で上映を行います。

川越スカラ座では、平成30年4月14日(土)〜27日(日)までの上映が決定!

原村監督と映画に登場した若手農家の大木さん(14日)、三芳町在住サツマイモ農家の伊東さん(15日)、木工作家の高村さん(21日)の舞台挨拶も行われます。

是非、川越スカラ座に足をお運びください。

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ラジオぽてと一番街局「告知の来い人」では、毎月、川越で街の活性化に繋がるイベントや活動を行っている方をゲストに迎えてお話をうかがっています。

7月1日(土)の放送では、2017年の秋の公開を目指して、現在、江戸時代から続く武蔵野の循環型農業をテーマにしたドキュメンタリー映画「武蔵野」の製作中の記録映画監督の原村政樹(はらむらまさき)様にお越しいただきました。

※本記事はトーク内容を元に一部補足を加え編集したものです。

記録映画監督・原村政樹氏が語る武蔵野

ー記録映画監督・原村政樹氏は、1957年 3月生まれ。上智大学卒業後フリーの助監督としてグループ現代、ドキュメンタリージャパンなどで映像の仕事を始め1988年桜映画社入社。以後、短編映画番組やテレビのドキュメンタリーの監督製作を行う。2004年「海女のリャンさん」では、映画館上映や自主上映の長編記録映画の製作を開始。2013年NHK新日本風土記「川越」製作。各界から高い評価を受けた作品2015年「無音の叫び声」の製作を機にフリーとして活躍されています。

ー「武蔵野」は広辞苑では「川越以南から東京都府中まで」を指すようですが、今回、映画の舞台とした「武蔵野」は具体的には、どの辺りになりますでしょうか?

江戸時代、川越藩は荒地の新田開発の際に、入植した農家の人たちに木を植えて雑木林を造成させました。この雑木林の落ち葉を畑に堆肥として還元し、雑木林と畑が一体化した伝統農法を続けている三芳町、所沢市、川越市などの三富地域が映画の舞台です。

落ち葉堆肥を使った循環農法は、高度成長期以前はどこにでもあったのですが、今も、これだけ広い地域で江戸時代から300年以上同じ伝統農法が守られている地域というのは世界的にみても奇跡だと言われています。

たまたま私もそういう地域のすぐそばに10代の後半から住んでいたという縁もあって、いつかここを伝えることをしたいという思いがあって映画を製作しました。

©映画「武蔵野」製作委員会

ー 川越中心街から福原の方に抜けていく河岸街道道沿い。川越市南文化会館(ジョイフル)の傍に「川越森林公園(仮)」があるのですが、その辺りの地域になりますね。

今回の映画も「川越森林公園(仮)」で農家をやっている一家族を紹介することになっています。

ー 落ち葉の堆肥による循環型農法を記録として残したいと思ったのは?

近代農業以降はいろいろ便利な化学的な農薬とか肥料ができたのですが、どうしても土地が痩せてしまうんです。

自然の恵みである落ち葉を堆肥にすれば非常に土の質が良くなって薬剤を使う頻度も少なくなって安全ということもあるのですが、何といっても、味というか品質が非常に良いのができます。

例えば、「川越森林公園(仮)」の近くはサトイモの名産地なのですが、これが非常に美味しい。他の県のものと比べて3割くらい高く売れる。伝統的な知恵が農業を非常に活性化しているようなところでもあるんです。

©映画「武蔵野」製作委員会

ー 僕の知り合いにもこの地域の若い農家の方がいまして、自分のところのサトイモやゴボウに凄く誇りをもってらっしゃいますね。
原村監督はこれまで製作された映画を通して多くの農家の方と関わりを持ってきたと思いますが、今回、地元の農家の方の映画を撮影して何か気づいたことはありましたでしょうか?

これまで、東北地方を中心に農業のドキュメンタリー映画を作ってきたんですけども、今回、地元で映画を撮影してさまざまな農家の方と出会うことで、自分の近くに、こんな素敵な農家の人たちがいたんだと。灯台下暗しでした。

特に20代・30代という若い世代が非常に頑張っています。こんな素敵な人たちがいるんだったら、あと、10年、20年早く出会っとけば良かったと思いました。本当にね「青い鳥」ですよね。

クラウドファンディングについて

ー 映画「武蔵野」では、当初、映画製作の活動資金や上映活動を支援する市民プロデューサで募りました。さらに今回、クラウドファンディングReadyforで6月29日から9月27日の90日間のプロジェクトを始めましたが、そのきっかけや感触はいかがでしょうか?

「武蔵野」の撮影は3年前から始めているんですけども、地元の私よりもこの伝統農法や雑木林を愛しているいろいろな方々が製作委員会を作ってくださりました。この映画を支えてくれるという人たちが地元に出来てだんだん輪が広がってきて始めは一口1万円からの市民プロデューサという形で寄付を募りながらやってきました。

製作資金が乏しいものですからお金を集めるということも大切なんですが、それと同時に、映画ができた暁には川越、埼玉県だけでなく、全国に上映運動を広めたいということもあって、クラウドファンディングをやってみようというのが製作委員会から上がりまして動き出しました。

作家の村上龍さんが真っ先に推薦文を書いてくださったり、作家の佐治久恵さんが応援のメッセージを寄せてくださったりと、僕のいろんな友人やこれまで仕事をやってきた中で、色々な方が支援してくれることで、自分も頑張っていけるのかなという感じがあります。

©映画「武蔵野」製作委員会

ー 江戸時代から続く伝統農法を映画に記録して後世に伝える。地元川越に対して凄く大事で重要なことをされている原村監督の想いが、今、ひしひしと伝わってきました。
それでは、最後に「武蔵野」のこれからの予定などありましたら。

撮影は3年間やってきてほぼ完了しました。編集の方も8分がた進んでいて、9月の末か10月には必ず完成するということで動いています。そのために、今度は音楽を付けたり役者さんにナレーションを入れたりというスタジオの作業が一苦労で大変なわけですね。

それで10月に完成しますが、これは、マラソンに例えるとちょうど折り返し地点なんですね。

ー 折り返し地点!?

映画は完成して終わりじゃなくてちょうど半分なんです。映画ができた後は、これを多くの人たちに見てもらうための上映活動が待っているわけですよ。北海道から沖縄までいろいろな映画館とか自主上映をやっているグループに声を呼びかけながら出来る限り多くの人たちに見てもらというのを3年くらいかけて行う。

世の中は新しいものにどんどん変わっていきますけど、大切なものは変えてはならないという農業の価値というかそういうものを伝えて行きたいなとそういう風に思っております。

ー 映画は完成して公開したらあとはもうみんなに見てもらってという感じで終わりかと思ったら、まだ、50パーセントのちょっと手前くらいということ。これからの活動がまだ大事ということですね。

映画は文化運動みたいなものなんです。作るのも大変なんですけど、その中で、いろんな人と出会ったり輪が広がっていくんで、こんなに世の中に楽しくていい仕事はないんじゃないかと思っています。これが、30年以上この仕事を続けてこられた原点であります。

川越というのは蔵の街が有名ですけど、郊外の農村部には素晴らしい水田地帯も広がっていたりと、そちらの魅力にも。ぜひ、多くの人に知っていただきたいなという風に思っております。

ー 自分も生まれは、「武蔵野」の舞台となった川越森林公園(仮)から、254号を挟んで寺尾の方なので、その気持ちがよくわかります。原村監督、映画の完成、そして上映活動と続きますが、是非、頑張ってください。

>頑張っていい映画をつくりますので皆さん、よろしくお願いします。

インタビュア 大野裕太 取材・記事 白井紀行

映画「武蔵野」予告編

ラジオぽてと一番街局特別編集

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基本情報

記録映画監督 原村政樹氏

1957年 3月生まれ。上智大学卒業後フリーの助監督としてグループ現代、ドキュメンタリージャパンなどで映像の仕事を始め、1988年桜映画社入社。以後、短編映画番組やテレビのドキュメンタリーの監督製作に携わり、各界から高い評価を受けた作品2015年「無音の叫び声」の製作を機にフリーとして活躍されています。

「東北農業三部作(①、②、③)で、江戸時代から続く自然の摂理を生かした循環農業と農家の営みの奥深さを一貫して描いてきた原村監督が、地元の川越で精魂込めて製作したのが映画「武蔵野」です。

映画の舞台「武蔵野」

埼玉県南西部(川越市・所沢市・狭山市・ふじみ野市・三芳町など)には、日本でも他に例のない大都市近郊の平地林が残っており、江戸時代から300年以上に亘って継承されてきた循環農業が今も息づいています(映画「武蔵野」製作委員会、原村政樹監督からのメーセージ冒頭より)

各種リンク

ドキュメンタリー映画「武蔵野」製作委員会

ホームページ
http://www.cinema-musashino.com/index.html
Facebook
https://www.facebook.com/musashinoagriative/

原村政樹監督
Facebook
https://www.facebook.com/masaki.haramura

参考(第15回かわごえ環境フォーラム午後の部「川越市環境行動計画策定記念講演会」より
http://koedo.info/170310kawagoekankyo/

第3回
第2回
第1回
基本情報

第3回

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4月14日(土)〜27日(金)までの2週間、映画「武蔵野」の上映が行われました。

場所は映画の舞台の一つとなった地元川越にある「スカラ座」

10時30分からの初回の上映を見ようと行けばすでに長蛇の列。

懐かしい雰囲気の館内は満席の状態。補助席も出して125名が鑑賞。

スカラ座の方、曰くドキュメンタリー映画でこれほど詰め掛けたのは初めてとか。

3年間にわたる記録を111分にまとめあげた映画「武蔵野」

冬の落ち葉掃きに始まり春、夏、秋と季節の移ろいとともに農家の1年を追う。

農家の方が「ヤマ」と呼び、江戸時代から守り続けて来た雑木林。

落ち葉を掃き、人が手を加えていかなければ「ヤマ」は荒れてしまう。

集めた落ち葉を堆肥で育った作物を食べて人は生きていく。

しかも、これが昔の話でなくて、今も川越市内で続けられているというリアルさ。

「森を育み 森に生かされ 森とともに歩む」という一節がぐっと心に来る作品でした。

上映後は、原村監督と映画に出演した農家や木工作家さんらによる舞台挨拶を企画。

この日のゲストは、映画に出演された若手農家の大木さんご夫妻。

原村監督に「農業を始めたきっかけは?」と聞かれて、大木さんが話しました。

実家では長人参をやっていて土埃とかが鼻に入るのは嫌でした。

大学の経済学部に行ったものの自分が何をやりたいのだろうと考えていました。

一人旅にも出て、農家の親父の仕事をやるのも良いかなと始めました。

親が稼いでくれたお陰で大学へも行けたし、それも格好悪くないねと。

最初の1年は失敗ばかりで、なかなかうまくいくことは少なかった。

でも、朝、今日は仕事に行きたくないという気持ちにならない仕事だった。

奥さんは、核家族のサラリーマン家庭から農家に入って11年目。

始めは季節ごとに土地の神様に感謝するなどの習慣の違いにも苦労したそう。

今は、お父さん、お母さんと仲良くやっていて、楽しくてたまらないそうです。

伝統農法を続けている理由について原村監督に問われた大木さんが答えます。

必ず林を守んなきゃとそこまで強い気持ちはなかったりします。

でも、林から得られる落ち葉堆肥を使えば、農薬や食べ物に必要のないものは減らせる。

せっかくあるものだから使っていこうと思っていますね

最後に、原村監督が語ります。

武蔵野の雑木林は開発が進んでいて将来無くなるんではないかとの危惧されています。

だけども、若い方々が新しい取り組みをやりながら江戸農法を継承されています。

世界的に見てもこれだけのものが残っているのは奇跡的です。

せっかく、300年続けて来たんですから300年後も残って欲しい

その思いでこの映画を作りました。

人間は「水」と「空気」と「食べ物」がなければ生きていけない。

時代はどんどん変わっていくがどんなに時代が変わっても変わらないものある。

自然と人間との関わりを感じてもらえば と結びました。

パンフレットも武蔵野の素晴らしさを伝えるために写真集の体裁で作成。

また、6月には「武蔵野に生きる」というタイトルで本も出版するそうです。

ロビーではサイン会も開かれ、お客さんと映画の感想などを会話していました。

【今後の上映予定】

6月23日から2週間、横浜シネマリンでのロードショーが決定。

また、12日間で川越スカラ座に詰めかけた観客は延べ1,500人越え。

スマッシュヒットとなり、11月に再上映が決定したそうです。

また、それ以外にも今後、日本全国で上映を予定しています。

詳しくは、映画「武蔵野」のFacebookをご覧ください。

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第2回

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映画「武蔵野」の舞台となった平地林で、落ち葉掃き体験が行われました

埼玉県南西部(川越市・所沢市・狭山市・ふじみ野市・三芳町など)に残る広大な平地林では、落ち葉を畑の堆肥にする循環型農業が360年以上に亘って続けられて来ました。

この平地林を農家の人は「ヤマ」と呼び、冬になると「落ち葉掃き」を行います。

昨今では、人手不足を補うとともに、先人たちが守り続けてきた「ヤマ」を知ってもらい、後世に伝えるため1〜2月には「落ち葉掃き」の体験イベントが盛んに行われています。

この土地で暮らす農家の姿を豊かな自然とともに記録し後世に伝えようと、原村政樹・映画監督は2014年からドキュメンタリー映画「武蔵野」の製作をスタート。製作資金の一部をクラウドファンディング「Readyfor」で募りました。

ファンドの達成に向けて、川越市「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の施策のひとつ「くらびとファンディング」では、当サイトやSNS、インターネット放送「ラジオぽてと」などで周知し支援することで、昨年の9月末に目標300万に対して328万もの資金を調達しました。

クラウドファンディングでは、支援者に対してリターン(返礼品)がありますが、映画「武蔵野」では、そのひとつに映画の舞台での「落ち葉掃き」体験イベントへの参加ができる特典が付いています。

2月10日(日)に、NPO法人「武蔵野の未来を創る会」主催で「落ち葉掃き体験」が行われ取材して来ましたので、その模様をレポートします。

体験イベントの会場は三芳町上富 。

近くを走る県道334号線は「富の川越いも」を生産する農家が軒を連ねており、この区間は「いも街道」と呼ばれています。

到着するとパチパチと枯れ木が爆ぜる焚き火に迎えられました。

最近では炎にあたる機会も少なく、放射熱の暖かさにも驚かされます。

落ち葉掃き体験・開会式

その焚き火を囲むように集合したのは、本日一緒に作業する県立川越総合高校の生徒たち。

同校では、平成25年から有志を募って「落ち葉掃き」体験を行っているのだそうです。

焚き火の煙越しに挨拶をされているのは、「武蔵野の未来を創る会」の森田 恒夫代表理事。

10年前まで県立川越総合高校の教員で、今は、農業をされています。

「一緒に汗を流しましょう!」と呼びかけました。

平地林を所有する高橋尚己氏は「三芳町川越いも振興会」の会長でもあります。

川越総合高校の園芸科にいたという高橋さん。作業の工程を伝えます。

熊手を両手に持っていますが、左手のが落ち葉掃き用。

ホームセンターで手に入るものより手の数が倍あって弾力性もあるのそうです。

「武蔵野の未来を創る会」の初代代表理事の関口 一郎氏。

生徒たちを林の奥と手前に分けて作業をしましょう。12時までよろしくお願いします。

と説明しました。

そのほか、本日作業に参加する先生や 行政からの職員らの紹介。

午後からは、近くの三芳町農業センターに場所を移動して、映画「武蔵野」短縮版の上映会も予定されていることも伝えられます。

落ち葉掃き体験が始まりました

落ち葉掃きの意義は、午後の上映会と原村監督の解説に委ねることとし、35名の生徒たちは手に手に熊手を持って林の中に散らばります。

3メートルの間隔で並んで、ザッザッと熊手で落ち葉を掃きよせる。

熊手はもっと思い切ってこう履いて!と生徒たちにお手本を見せる高橋さん。

それに習い落ち葉をシートの上に掃き寄せていきます。

シートの上にある程度の落ち葉が溜まったら四辺を持ち上げる。

そのまま、ズルズルとシートを引っ張って近くにある落ち葉の小山に移動。

シートをひっくり返して小山の上に被せます。

落ち葉を掃いてシートに集め、落ち葉の小山に被せる。ひたすらこの繰り返し。

落ち葉掃きをしながら足元を見るといろんな発見があります。

枯葉の上で顔を覗かせる栗。

コナラやクヌギなどの広葉樹が中心なのでどんぐりはあちこちに落ちています。

こちらは「山繭」。平地林では多種多様の動物や昆虫が暮らしています。

落ち葉の小山が胸くらいの高さになったら、みんなで上に乗って踏みしめる。

フカフカした落ち葉の上でぴょんぴょんと飛び跳ねて楽しそう。

腰まで落ち葉に埋まってその感触を楽しみます。

普段なかなかできない経験に、歓声を上げる高校生ら。

落ち葉が踏み固まったら網を掛けて、本日の作業は終了です。

お待ちかねのランチタイム

身体を動かして働けば「腹が減る」のは、自然の摂理。

先生が寸胴いっぱいに用意したけんちん汁でランチタイムです。

川越産の野菜がたっぷりと入ったけんちん汁。

味噌味と醤油味があって、味噌は川越総合高校で作ったものだそう。

「どんどんお代わりしてね」という先生の掛け声に食欲の旺盛な高校生。

綺麗さっぱりと平らげました。

映画「武蔵野」上映会

ごごからは、平地林の近くにある三芳町農業センターで映画「武蔵野」の上映。

敷地には三富新田の歴史と文化を伝える茅葺屋根の民家「旧島田家住宅」があります。

家屋の中では囲炉裏に火がくべられ、天井は長年の煤で真っ黒に燻されてました。

天井付近には落ち葉掃きで使われる竹かごが積まれています。

映画「武蔵野」製作委員会の一員でもある森田さんより挨拶。

「みなさんが今日行った『落ち葉掃き』について映画を見て学んでもらいます」

本編は111分ですが、今回は特に農業の部分を切り出した21分の短縮版。

集めた落ち葉が発酵して堆肥へと変わっていく過程、さつまいもの苗を作る様子、そして、農家さんの思いが短い中にもギュッと詰め込まれていました。

映画の上映にあたり予告編が公開されていますので、こちらでも紹介します。

上映が終わった後、原村監督が登壇して、映画「武蔵野」を製作するきっかけと訴えたいメッセージを高校生たちに語りました。

40年以上前から川越に住んでいて平地林は散歩コース。NHK新日本風土記・川越を製作して放映された後に撮影でお世話になった方々に挨拶に回った際に、川越で落ち葉堆肥を使った伝統農業が360年以上も続けられていたのかと感想を述べられて、地元でも知られていないことに気づいた。

大都市圏でこのような伝統農法を行っているのは世界でも類を見ず奇跡的。世界中の土を調査した学者によればが、こんな構造をした土は見たことがないと感激した位だが、それが知られていないのが映画をつくったきっかけ。

今は、経済至上主義の社会で、どんどん新しい製品がでてきて5年も経てば古くなる。10-15年で部品が無くなって修理もできなくなってしまう。

けれど、人間にとって本当に必要なものは「水と空気と食べ物」。食べ物を生み出す農業は経済面だけで捉えることはできない。農業的な価値で社会を向きなおすことは大切なこと。

映画「武蔵野」を通して世界に誇れる伝統農法があり、人間が生きていく場所を残しているというメッセージをまず日本で、さらには海外へと発信していきたいと話を結びました。

映画「武蔵野」上映案内

映画「武蔵野」はこれから3年掛けて、日本全国で上映を行います。

川越スカラ座では、平成30年4月14日(土)〜27日(日)までの上映が決定!

原村監督と映画に登場した若手農家の大木さん(14日)、三芳町在住サツマイモ農家の伊東さん(15日)、木工作家の高村さん(21日)の舞台挨拶も行われます。

是非、川越スカラ座に足をお運びください。

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第1回

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ラジオぽてと一番街局「告知の来い人」では、毎月、川越で街の活性化に繋がるイベントや活動を行っている方をゲストに迎えてお話をうかがっています。

7月1日(土)の放送では、2017年の秋の公開を目指して、現在、江戸時代から続く武蔵野の循環型農業をテーマにしたドキュメンタリー映画「武蔵野」の製作中の記録映画監督の原村政樹(はらむらまさき)様にお越しいただきました。

※本記事はトーク内容を元に一部補足を加え編集したものです。

記録映画監督・原村政樹氏が語る武蔵野

ー記録映画監督・原村政樹氏は、1957年 3月生まれ。上智大学卒業後フリーの助監督としてグループ現代、ドキュメンタリージャパンなどで映像の仕事を始め1988年桜映画社入社。以後、短編映画番組やテレビのドキュメンタリーの監督製作を行う。2004年「海女のリャンさん」では、映画館上映や自主上映の長編記録映画の製作を開始。2013年NHK新日本風土記「川越」製作。各界から高い評価を受けた作品2015年「無音の叫び声」の製作を機にフリーとして活躍されています。

ー「武蔵野」は広辞苑では「川越以南から東京都府中まで」を指すようですが、今回、映画の舞台とした「武蔵野」は具体的には、どの辺りになりますでしょうか?

江戸時代、川越藩は荒地の新田開発の際に、入植した農家の人たちに木を植えて雑木林を造成させました。この雑木林の落ち葉を畑に堆肥として還元し、雑木林と畑が一体化した伝統農法を続けている三芳町、所沢市、川越市などの三富地域が映画の舞台です。

落ち葉堆肥を使った循環農法は、高度成長期以前はどこにでもあったのですが、今も、これだけ広い地域で江戸時代から300年以上同じ伝統農法が守られている地域というのは世界的にみても奇跡だと言われています。

たまたま私もそういう地域のすぐそばに10代の後半から住んでいたという縁もあって、いつかここを伝えることをしたいという思いがあって映画を製作しました。

©映画「武蔵野」製作委員会

ー 川越中心街から福原の方に抜けていく河岸街道道沿い。川越市南文化会館(ジョイフル)の傍に「川越森林公園(仮)」があるのですが、その辺りの地域になりますね。

今回の映画も「川越森林公園(仮)」で農家をやっている一家族を紹介することになっています。

ー 落ち葉の堆肥による循環型農法を記録として残したいと思ったのは?

近代農業以降はいろいろ便利な化学的な農薬とか肥料ができたのですが、どうしても土地が痩せてしまうんです。

自然の恵みである落ち葉を堆肥にすれば非常に土の質が良くなって薬剤を使う頻度も少なくなって安全ということもあるのですが、何といっても、味というか品質が非常に良いのができます。

例えば、「川越森林公園(仮)」の近くはサトイモの名産地なのですが、これが非常に美味しい。他の県のものと比べて3割くらい高く売れる。伝統的な知恵が農業を非常に活性化しているようなところでもあるんです。

©映画「武蔵野」製作委員会

ー 僕の知り合いにもこの地域の若い農家の方がいまして、自分のところのサトイモやゴボウに凄く誇りをもってらっしゃいますね。
原村監督はこれまで製作された映画を通して多くの農家の方と関わりを持ってきたと思いますが、今回、地元の農家の方の映画を撮影して何か気づいたことはありましたでしょうか?

これまで、東北地方を中心に農業のドキュメンタリー映画を作ってきたんですけども、今回、地元で映画を撮影してさまざまな農家の方と出会うことで、自分の近くに、こんな素敵な農家の人たちがいたんだと。灯台下暗しでした。

特に20代・30代という若い世代が非常に頑張っています。こんな素敵な人たちがいるんだったら、あと、10年、20年早く出会っとけば良かったと思いました。本当にね「青い鳥」ですよね。

クラウドファンディングについて

ー 映画「武蔵野」では、当初、映画製作の活動資金や上映活動を支援する市民プロデューサで募りました。さらに今回、クラウドファンディングReadyforで6月29日から9月27日の90日間のプロジェクトを始めましたが、そのきっかけや感触はいかがでしょうか?

「武蔵野」の撮影は3年前から始めているんですけども、地元の私よりもこの伝統農法や雑木林を愛しているいろいろな方々が製作委員会を作ってくださりました。この映画を支えてくれるという人たちが地元に出来てだんだん輪が広がってきて始めは一口1万円からの市民プロデューサという形で寄付を募りながらやってきました。

製作資金が乏しいものですからお金を集めるということも大切なんですが、それと同時に、映画ができた暁には川越、埼玉県だけでなく、全国に上映運動を広めたいということもあって、クラウドファンディングをやってみようというのが製作委員会から上がりまして動き出しました。

作家の村上龍さんが真っ先に推薦文を書いてくださったり、作家の佐治久恵さんが応援のメッセージを寄せてくださったりと、僕のいろんな友人やこれまで仕事をやってきた中で、色々な方が支援してくれることで、自分も頑張っていけるのかなという感じがあります。

©映画「武蔵野」製作委員会

ー 江戸時代から続く伝統農法を映画に記録して後世に伝える。地元川越に対して凄く大事で重要なことをされている原村監督の想いが、今、ひしひしと伝わってきました。
それでは、最後に「武蔵野」のこれからの予定などありましたら。

撮影は3年間やってきてほぼ完了しました。編集の方も8分がた進んでいて、9月の末か10月には必ず完成するということで動いています。そのために、今度は音楽を付けたり役者さんにナレーションを入れたりというスタジオの作業が一苦労で大変なわけですね。

それで10月に完成しますが、これは、マラソンに例えるとちょうど折り返し地点なんですね。

ー 折り返し地点!?

映画は完成して終わりじゃなくてちょうど半分なんです。映画ができた後は、これを多くの人たちに見てもらうための上映活動が待っているわけですよ。北海道から沖縄までいろいろな映画館とか自主上映をやっているグループに声を呼びかけながら出来る限り多くの人たちに見てもらというのを3年くらいかけて行う。

世の中は新しいものにどんどん変わっていきますけど、大切なものは変えてはならないという農業の価値というかそういうものを伝えて行きたいなとそういう風に思っております。

ー 映画は完成して公開したらあとはもうみんなに見てもらってという感じで終わりかと思ったら、まだ、50パーセントのちょっと手前くらいということ。これからの活動がまだ大事ということですね。

映画は文化運動みたいなものなんです。作るのも大変なんですけど、その中で、いろんな人と出会ったり輪が広がっていくんで、こんなに世の中に楽しくていい仕事はないんじゃないかと思っています。これが、30年以上この仕事を続けてこられた原点であります。

川越というのは蔵の街が有名ですけど、郊外の農村部には素晴らしい水田地帯も広がっていたりと、そちらの魅力にも。ぜひ、多くの人に知っていただきたいなという風に思っております。

ー 自分も生まれは、「武蔵野」の舞台となった川越森林公園(仮)から、254号を挟んで寺尾の方なので、その気持ちがよくわかります。原村監督、映画の完成、そして上映活動と続きますが、是非、頑張ってください。

>頑張っていい映画をつくりますので皆さん、よろしくお願いします。

インタビュア 大野裕太 取材・記事 白井紀行

映画「武蔵野」予告編

ラジオぽてと一番街局特別編集

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基本情報

記録映画監督 原村政樹氏

1957年 3月生まれ。上智大学卒業後フリーの助監督としてグループ現代、ドキュメンタリージャパンなどで映像の仕事を始め、1988年桜映画社入社。以後、短編映画番組やテレビのドキュメンタリーの監督製作に携わり、各界から高い評価を受けた作品2015年「無音の叫び声」の製作を機にフリーとして活躍されています。

「東北農業三部作(①、②、③)で、江戸時代から続く自然の摂理を生かした循環農業と農家の営みの奥深さを一貫して描いてきた原村監督が、地元の川越で精魂込めて製作したのが映画「武蔵野」です。

映画の舞台「武蔵野」

埼玉県南西部(川越市・所沢市・狭山市・ふじみ野市・三芳町など)には、日本でも他に例のない大都市近郊の平地林が残っており、江戸時代から300年以上に亘って継承されてきた循環農業が今も息づいています(映画「武蔵野」製作委員会、原村政樹監督からのメーセージ冒頭より)

各種リンク

ドキュメンタリー映画「武蔵野」製作委員会

ホームページ
http://www.cinema-musashino.com/index.html
Facebook
https://www.facebook.com/musashinoagriative/

原村政樹監督
Facebook
https://www.facebook.com/masaki.haramura

参考(第15回かわごえ環境フォーラム午後の部「川越市環境行動計画策定記念講演会」より
http://koedo.info/170310kawagoekankyo/